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| program |
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| Frantz Schubert | ソナタ ト長調「幻想」D.894 Sonata-Fantasia G major D.894 |
| Luigi Nono | 苦悩に満ちながらも清朗な波（ピアノとCD またはDATのための） Sofferte onde serene（for piano and CD or DAT） |
| Claude Debussy | 6つの練習曲 第2集 6 Etudes 2 Livre |
| encores |
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| Claude Debussy | 前奏曲集第一巻より 西風の見たもの Ce qu'a vu le vent d'Ouest. |
| Frederic Chopin | 夜想曲 変ニ長調 Nocturne in D-flat major op.27-2 |
| 個人的なことではあるが、この公演の日は私の二十歳の誕生日で、ポリーニの演奏も素晴らしかったし、良い記念となったのである。シューベルトの幻想ソナタにおける微妙な陰影、徹底してコントロールされた弱音の美しさ、その透明感は格別であり、そしてノーノの作品では、会場のポリーニが事前に録音されたもうひとりのポリーニ自身と共演して、その重なり合いの独特な音響空間、ノーノならではの緊迫した空気は衝撃的であった。ドビュッシーの練習曲でのポリーニは、技巧の点でも、響きの点でも、極致の演奏を披露してくれたと思うし、あんなにも完成度の高い演奏には、もう二度と出会えないであろう。実は三日前の公演がポリーニの体調不良のために日程が変更になったりもして、このときの来日は必ずしも万全ではなかったという話も聞くのだが、しかしあの日のポリーニは何もかもが完璧で、今振り返ってみても最高の輝きであったように思われるのである。私にとっては、いつまでも宝であり、大切な思い出となっているのだ。 |