私とレコードの歴史 1991
My history of listening to music records and thinking impressions of my favorite discs

Beethoven: Piano Sonata in E major op.109, in A flat major op.110　Emil Gilels Brahms: Symphonie Nr.1 c-moll op.68　Claudio Abbado　Berliner Philharmoniker Chopin: Scherzo op.20, 31, 39, 54, Berceuse op.57, Barcarolle op.60　Maurizio Pollini Mozart No End and The Paradise Band　Friedrich Gulda　Munchner Philharmoniker

ギレリス最後の録音 〜ベートーベン ピアノソナタ op.109, 110 私が聞くようになった頃には、エミール・ギレリスはすでにもう亡くなっていた。しかしギレリスというピアニストを知れば知るほど、そして彼の生み出した素晴らしい音楽を聞けば聞くほど、偉大な存在であり、存命中に聞くことができなかったことが惜しまれてならない。このディスクはギレリスの残した最後の録音である。ギレリスの硬質で透明なタッチは、ベートーベンの音楽にさらなる輝きを与えていく。彼のベートーベンは特に素晴らしかった。ワルトシュタインや熱情、告別といった全盛期の名演も圧倒的である。しかしここで聞くことのできる晩年の巨匠は、もっと力を抜いて、無理なく自然体に、優しさに満ちた演奏をするのである。これがギレリスの最後に到達した境地なのであろう。これ程までに清らかに、すべてを悟りきったかのような演奏に出会えることもそうはない。究極的に美しい、深みのある、浄化された精神の感じられる演奏である。ギレリスはまさにそうしたピアニストだったのだ。 アバドのブラームス 交響曲弟1番 〜ベルリンフィル 準備中 ポリーニのショパン スケルツォ、子守歌、舟歌 準備中 Mozart No End and The Paradise Band 〜モーツァルトとグルダの作品 準備中

You go to TOP.